
サムスンがミッドレンジスペックのスマートフォンの性能を大幅向上させる可能性のある新型メモリチップを発表しました。
同社は本日、スマートフォン向けメモリーソリューション「LPDDR5 UFSベース・マルチチップ・パッケージ(uMCP)」の量産開始を発表しました。
この製品は、最速のLPDDR5 DRAMと最新のUFS 3.1 NANDフラッシュを統合し、フラグシップレベルの性能をミッドレンジの携帯電話に提供するとのことです。
このuMCPは、最新のモバイルDRAMとNANDインターフェースをベースにしているため、超低消費電力で超高速と大容量のストレージを実現することができます。
また、この組み合わせにより、高度な写真撮影、グラフィックを駆使したゲーム、AR(拡張現実)など、これまでプレミアムフラッグシップモデルでしか利用できなかった数多くの5Gアプリケーションを、より多くのユーザーに提供することができるようになるとのことです。
ちなみに現在、ミッドレンジスペックのスマートフォンに搭載されているRAMおよびフラッシュメモリの大半はLPDDR4XやUFS 2.2、もしくはそれ以前の規格。
一方、サムスンによると、LPDDR4XベースのUFS 2.2ソリューションと比較して、このuMCPのDRAM性能は約50%(17GB/s→25GB/s)、NANDフラッシュメモリ性能は約2倍(1.5GB/s→3GB/s)に向上するとのこと。
さらに、新しいuMCPは、DRAMとNANDストレージをわずか11.5mm x 13mmのコンパクトなパッケージチップに統合することで、他の機能のためのスペースを確保することもできるようになるようです。

なおこのuMCPではRAMとストレージの組み合わせとして、6GBから12GBのDRAM容量と128GBから512GBのストレージオプションをカスタマイズ可能。
また、サムスンはすでに複数のメーカーとのLPDDR5 uMCPの互換性テストに成功しており、uMCPを搭載した機器は今月から市場で展開されるとのことです。
スマートフォンでハイエンド、ミッドレンジ、エントリーモデルといったクラス分けをする要は一般的には搭載チップ。
それもそのはず。
スマホの体感速度は主にCPUおよびGPUの性能によるところが大きいと言われています。
その一方で、RAMやストレージといったメモリの書込みや読み込みといった転送速度も重要な要素と言われており、そういった意味でこの新しいuMCPがミッドレンジモデルに搭載されるようになると、ハイエンドとの性能差は幾分縮まるはずです。

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