スマホ「レビュー」の闇、メーカーによるメディアへの「差し止め」と印象操作の仕組み

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スマートフォンの購入の際に多くのユーザーが参考にする「レビュー」。

一方、大半のメーカーが新型スマートフォンの発表に際し、大手ガジェット系メディアや有名レビュアーへ発表前に「レビュー用」あるいは「ジャーナリスト向け」端末を配布していることはご存知の方も多いと思います。

発表と同時に複数のメディアが「ハンズオン」「ファーストインプレッション」「開封の儀」などと銘打って一斉にレビュー記事が動画を配信できるのはそのためです。

一方、メディアはメーカー側から正式発表前に端末の画像や情報を出さない「口止め」を約束させられているのも周知の事実。(英語圏ではこれを「embergo」と呼ぶようです)

しかし今回、メーカーによるメディアへの「口止め」、それによる製品への印象操作について一歩踏み込んだ説明および問題敵をした興味深い動画がYoutube上に掲載されていました。

800万人以上のチャンネル登録者数を持つ海外の有名テック系レビュアー、Mrwhosetheboss氏がおそらく世界No.1知名度の別のYoutubeレビュアー、MKBHDとこのコラボで掲載していた「スマホメーカーはいかにしてメディアを操作するか」というタイトルの動画。

この中で、テック系メーカーがどのようにして各メディアのレビューを「コントロール」しているか、について説明しています。

Dual Embergoシステム

なかでも興味深いのが「Dual Embergo」と呼ばれるシステム。

Embergoとは一般的には禁輸や禁止といった意味の単語ですが、出版業界では出版の禁止や「差し止め」「口止め」といった意味で使われる模様。

製品発表までレビューの掲載を禁じている

そしてここでいうEmbergoというのはメーカーがメディア側にある日時までその新製品のレビュー記事などの掲載を禁止する、というもので、それ自体には問題はありません。

ただ、今回問題とされているのは「Dual Embergo」というシステムで、これはレビュー記事を2段階に分けさせ、製品発表直後の最初のレビュー”内容”に制限を設ける、というもの。

発表直後の最初レビューで許されるのはその製品のハード的な特徴やデザイン、表面的な機能紹介などに限られ、レビュアーの正直な感想や評価をパブリッシュするのには2週間後のセカンドレビューを待たなければならない、とのこと。

また、この最初のレビューでは製品に対する個人的な意見や評価を避けるように指示されていることが多い模様。

これについてはメーカー側もはっきりと指定しているようで、上の例ではベンチマーク測定や他機種との比較、カメラサンプルの掲載なども禁じられているようです。

そのため、この最初のレビューに関しては必然的にネガティブな評価(特に機能面)がでにくくなっているようです。

確かにメーカーの発表と同時にリリースされる「レビュー」の大半は外観やハード、スペックに関する内容がほとんどで、唯一見れるのはレビュアーが話しながらホーム画面を行ったり来たり、といった感じの意味のないものばかり。
また、発表と同時にリリースされるレビューにサンプル画像などが掲載されているケースもかなり稀です。

その結果、多くのメディアはレビューを2回に分けてリリースされることになり、多くのケースで2回目のレビュー掲載のタイミングは製品の販売予約受付の開始時期と重なるようになっている、とのこと。

ダブルスタンダードの問題についても指摘

さらに興味深いのはメーカー自身のこのルールに対する「ダブルスタンダード」について。

このチャンネルでは、過去の最初のEmbergo期間に公開した比較レビュー(Galaxy Note 20 UltraとS20 Ultra)で、サムスン側から削除要請を受けた、とのこと。

これは「比較」という行為自体が最初のレビューでは禁止されている「詳細なレビュー」に該当するから、といった理由だったようです。

ところが、このチャンネルは過去のモデルでも同様の比較レビュー(Galaxy S20 Ultra vs iPhone 11 Pro Max)を行っており、この際はお咎めがないどころか、そのレビュー動画をプロモートするようにすら勧められたとのこと。

その理由についてはおそらくサムスンの製品に対してポジティブな内容だったから、とのこと。

要は、仮にちょっとしたルール違反があったとしても、それがそのメーカーの製品にとってポジティブな影響を与えるものであればOK、ネガティブだとNG、という一貫性のない基準が設けられている、とのこと。

ユーザーにとっては当然、メーカーの公式ページを見れば分かるような表面的なレビューより、より詳細かつ他機種との比較などを交えた相対的評価や意見のレビューの方が魅力的です。
そうなると、閲覧数がすべてであるレビュアーにとっては製品のポジティブな面であれば「詳細」を強調したレビューを作成する、という歪んだ構造が出来上がる、ということに。

これは間接的にメーカーがレビュー内容をコントロールしている、とも言えそうです。

メーカーも自社製品を良く見せたいのは当たり前で、私はこの一連のカラクリを批判する気はありません。が、ビューワーもこの仕組みは理解した上で「レビュー」を閲覧することは重要ではないかと思います。

ソース:Youtube

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著者プロフィール

sumahoinfo.comの管理人、編集者、そしてライターRyoです。
専門知識はありませんが、広く、浅く、読者の方にとって役立つ、そして時にはエキサイティングなスマートフォン関連情報をご提供できるように心がけています。
XperiaからiPhoneまで、数々のスマホを使っていましたが、最近は現在はミッドレンジスマホを中心にメイン機にしています。

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