スマートフォン・ユーザーにとって永遠の課題と言っても過言ではない「バッテリー持ち」。
バッテリー持ちは電池容量や使用環境、CPUやディスプレイといったハードに依存しているのは言うまでもありませんが、それ以外にも重要な要素として「バッテリーの寿命」があります。
ご存知のようにバッテリーは放電と充電を繰り返すうちに劣化。2年で平均2~3割はバッテリーの最大キャパが減ると言われています。
ただ、このバッテリー劣化の度合いは充電方法でかなり変わるとも言われており、これについて非常に興味深い最新のリサーチ結果が掲載されていました。
私の頭ではかなり理解が怪しい部分もあるので、明確に分かる部分だけを説明します。
これらは様々なバッテリー残量の状態で充電を繰り返した場合のバッテリーキャパシティーを比較したもの。
例えば、グリーンのライン(85-25%)は85%まで充電して25%まで放電、また85%まで充電というサイクルを繰り返したもの。
この場合、3000回の充電サイクルでバッテリー容量が87%くらいまで劣化しています。
ご覧のように100%充電から25%まで放電(100-25%)して使用した際のバッテリーの劣化が一番早くなっており、75-65%での劣化が一番少ない、ということになります。
ただ、これ、単純には比較できません。
75-65%で充電を繰り返した場合、使えるバッテリーは10%分のみ(75-65=10)。
非常に雑な計算ですが、これだと100-25%(75%)と比べて7.5倍多く充電をしなければならず、充電回数ではなく実際に消費した電力量だとどちらの方が劣化が少ないのかはわかりません。
さらに外に持ち出すことが前提のモバイル端末のバッテリー残量を75-65%に保つ、というのは日常生活ではほぼ不可能。
よって現実的な方法とは言えません。
一方、下のグラフでは現実的な使用方法、75%-25%、85%-25%、100%-25%を比較しています。
100%-25%=75%、75%-25%=50%なので、同じ電力量消費ならば75%-25%の必要充電回数は100%-25%の1.5倍くらいなるということになります。
つまり、100%-25%で4000回充電するとしたら、75%-25%は6000回充電ということになります。
これを比べてみると100%-25%では4000回の充電でバッテリー容量が80%以下になっているのに対し、75%-25%では6000回の充電でも85%以上の容量を維持しています。
前述のように、仮にバッテリー寿命を最大化できるとしても、スマホのバッテリーを75-65%の間で使い続けるのはほぼ不可能。でも75%-25%程度の使用ならちょっと気をつければ実行可能ではないでしょうか。
つまり、スマートフォンの寿命を”現実的”に最長化するには75%~85%まで充電して25%くらいまで放電、という充電サイクルがベストということになります。
ただ、夜寝る際に充電する場合、充電を100%にせずに途中で止めるというのはなかなか難しいところ。
各メーカーがファームウェアレベルで充電レベルを調整できる機能を搭載してくれると助かるのですが。。。
コメント
最新機種のarrowsF-01Kではフル充電量を85%に制限する機能が付きました。
実質85%の地点でハードかソフトが100%まで充電したと思い込ませ、供給を停止させる仕組みらしいです。
Xperiaには寝ている間に100%にはならないよう、生活リズムやアラームによって直前まで90%を維持し、利用者が起きるタイミングで100%にする「いたわり充電」が備わってますが。