ソニーの最新フラッグシップ・モデル、Xperia XZ1とXperia XZ1 Compact。
先程、両者のバッテリー持ちという点では大差はない、という比較テストの結果についてお伝えしましたが、ベンチマーク上の性能では意外な差がでていることが判明しました。
一方、処理速度といった面では同じSnapdragon 835+4GB RAM搭載で理論上の性能差は基本的にはあまりないはず。
ただ、実際に複数のベンチマーク測定結果から統計を取るとこのXZ1とXZ1Cの間には意外な違いがあることが判明しました。
以下はGeekbenchでXperia XZ1 (G8341)とXperia XZ1 Compact (G8441)のベンチスコア過去100回分の結果の平均値および標準偏差を表したもの。
Xperia XZ1 | Xperia XZ1 Compact | |
シングルコア平均 | 1841 | 1847 |
シングルコア標準偏差 | 40 | 38 |
マルチコア平均 | 6201 | 6451 |
マルチコア標準偏差 | 477 | 149 |
シングルコアは大差がありませんが、マルチコアでは平均で250ポイントもXZ1 CompactがXZ1を上回っています。
100回の測定で250ポイント、3%以上の差、というのは統計学的にはかなり有意な違い。
ただ、個人的にスコア以上に気になったのはスコアの「バラツキ」具合。
ご覧のようにXperia XZ1の標準偏差はXZ1 Compactの3倍以上となっており、これはちょっと驚きの結果。
標準偏差とは簡単に言えば平均値からの「バラつき度合い」を示す数値。
かなり端折って言うと、例えば2回測定をした場合、1回目と2回目のスコアにはXZ1では”平均で”477ポイント、XZ1Cでは149ポイントの差が出る、ということになります。
また、以下はそれぞれの測定結果をヒストグラムにしたもの。
Xperia XZ1 Compactのスコアは8割方、6400~6500の間にぎっしり集まっており、測定毎の差が小さいことがよくわかります。
一方、Xperia XZ1では大部分のスコアが広範囲(6000~6600くらい)に広がっており、XZ1Cとは明らかに異なるバラつきを見せています。
ご存知のようにベンチマークは同一個体であっても環境などによってスコアにバラツキが出ます。
つまり、これはこの値が小さければ小さいほど環境差による性能のばらつきが小さい、つまり安定性が高い、ということになります。
ベンチマークスコアの違いについては、ディスプレイ解像度の低いXZ1Cの方に有利、というのは分からなくもありません。
ただ、この性能の安定性の違いについては謎。
ひょっとして構造の違いにより排熱性能に差があり、これがこの安定性の違いとなってでているのでしょうか。
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